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『アイドルプリキュア きみとわたし♪ LIVE2025 You&I=We're IDOL PRECURE』公開記念インタビュー:高森奈津美|「子どもたちを見ていると、泣かずにステージに立てるか不安になります。」【第6回】
2025年10月18日(土)にはパシフィコ横浜 国立大ホールにて「アイドルプリキュア You & I♪ LIVE 2025 You & I=We're Idol PreCure」が開催されます。出演者は、アイドルエンジェル/さくらうた役の松岡美里さん、ウィンクエンジェル/青風なな役の高橋みなみさん、ハートビートエンジェル/パープルレインハート役の高森奈津美さん、タッチエンジェル役の南條愛乃さん、キッシングエンジェル/メロレン役の花井美晴さん。さらに、オープニングテーマは石井亜美さん、熊田茜さん、吉武千紗さんが担当します。そして今年は、アイドルプリキュアも登場!
アイドルをテーマにした本作では、キラキラ感あふれる華やかなステージが期待されます♪
アニメイトタイムズ恒例の「プリキュアライブインタビュー」では、ライブへの意気込みや、夏に発売予定の『「アイドルプリキュア きみとぼく♪」ボーカルアルバム ~We are! You & IDOL PRECURE♪~』収録曲への思い、そして注目のグッズなど、出演声優陣にインタビュー。第6回は、ハートビートエンジェル/パープルレイン・ハート役の高森奈津美さんに登場していただきました。
プリキュアコンサートの感想
──アイドルプリキュア5人が揃って、アフレコ現場もさらに盛り上がっていると思いますが、初めてのアフレコからこれまでの道のりを振り返って、どんな感想をお持ちですか?
ハートビートエンジェル/パープルレインハート役の高森奈津美さん(以下、高森): 「私たち5人がプリキュアになるまでの道のりは、これまでのプリキュアシリーズにはなかったものになっている気がします。ハートがパートナーになるまでに1ヶ月くらいかかって、私は少し後から仲間になったような感じでした。一方で、プリルは最初からずっと一緒にいて、メロルンはパートナーになるまでに時間がかかりました。人数が増えていくことで、役割が少しずつ変わっていくのが驚きで新鮮でした。コンサートではみんなが一堂に会して、私たちの幸せな姿を皆さんにお見せできる。5人になるまでにたくさんの段階があるからこそ、準備万端で臨めるという実感があります。」

そうですね。だからココロが初めて変身したのは第7話「ドキドキ!ハートの天使登場!」だったんです。
高森:はい。だから最近は、こころのいろんな面が見えてきた気がしますね…。最初はウタ先輩に憧れるファンだったのに、打ち解けてからは「余計な口出しはやめてください!」とか、気さくに接してくれるようになったり(笑)、少し余裕が出てきたり。アイドルエンジェルやウインクエンジェルのファンでありながら、ウタやナナにも自分の意見を言えるようになったのは大きな変化ですね。最初はウタやナナと一緒にいても礼儀正しく接する子だと思っていたのですが、プリキュアじゃなくても、ちゃんと対等に話せる子なんだなと。アフレコ現場に入ってから、発見することが本当に多かったです。
「気をつけろ!」は素晴らしいシーンが沢山ありました。第14話「ママへ~心からのメッセージ~」では涙が溢れました。
高森:うちの母も泣いたって言ってました(笑)。私もアフレコ中ずっと感動していたんですが、一番泣いたのは回想シーンですね。セリフはないんですけど、監督、映像、音楽のセンスがすごく伝わってきて、素敵な物語を作り上げているなと感じました。

──高森さんはミミ役の声優として『デリシャスパーティー♡プリキュア』に出演されたことはありますが、プリキュアのコンサートに出演するのは初めてですよね?
高森:はい。これまでは3人の妖精(高森、日岡なつみ、半場巴)と一緒に座って、観客として観るだけだったので、今回出演させていただけるのがすごく楽しみです。「デリシャスパーティー」のコンサート(『デリシャスパーティー♡日岡のプリキュアLIVE2022 乾杯!デリシャスLIVEパーティー♡』)では、Machicoさんがずっと出てきて、「またMachico出るの、Machico~!また出るの?Machicoって何人いるの?」って(笑)。
──Machicoさんの現役時代は本当にすごかったです…!今回のコンサートの曲数からすると、声優さんたちもたくさん歌われるんでしょうね。
高森:はい。声優さんが歌う曲がすごく多いので、特別なプリキュアコンサートになるんじゃないかなと思っています。アフレコを始める前から、もうすでにレコーディングがすごくたくさんあって、「また曲がある!」「これはどこに入れよう?」って、もうわからなくなってしまいました(笑)。曲数が多いということは、コンサートの曲数もすごく多いだろうなと思って、プリキュアコンサートに向けて少しずつ準備を進めてきました。1回きりのコンサートなので、なるべく控え目に、たくさん歌おうと思っています。
ただ、この仕事を始めてから、こんなにたくさんの曲を歌わなければいけないコンサートは初めてなので、私にとっては未知の領域です。しかも、子どもたちの前で歌うので、「コンサートのステージに立つ時、どんな気持ちで臨めばいいのか」と、最近ずっと考えていました。
──なるほど。もう少し詳しく教えていただけますか?
高森:今までは「キャラクターとしてステージに立つ」という意識でコンサートに臨んできたんです。でもプリキュアって、子どもたちはプリキュアを目の前にして「私たち(声優)って何のお姉さんなんだろう?」って思うと思うんです。でも最近、いただいた資料に「私たちもプリキュアです」ってしっかり書いてあって。「あ、そうそう、私たちもプリキュア!」って。だから今は「紫玉心として、プリキュアとしてステージに立つ」って思っています。子どもたちもすごく柔軟なので、きっと受け入れてくれると思います。

──プリキュアのコンサートにプリキュアが勢揃いするのは初めてですね。
高森:個人的には、プリキュアをたくさん見てほしいんです。だから、あまり考えすぎずに、子どもたちが「プリキュアが歌ってる!」って楽しんでくれればいいなと思っています。実は、デビューコンサートに行ったとき、子どもたちが自然と体を動かして、知らない曲に合わせて踊っていたんです。その俊敏さに感動しました。まだ放送前(2月1日のプリキュアの日)なのに、もうプリキュアの子どもたちがドキドキする子に変身していて…。私もプリキュアを見ると涙腺がおかしくなるので、ステージに立っても泣かないでいられるか心配です。私自身、感謝祭で心に傷を負ってしまいました…(苦笑)。
――私も『デリシャスパーティー♡プリキュア』で高森さんのセリフを聞いて泣いてしまいました。でも、子どもたちが本当に真剣にプリキュアを応援している姿が感動的でした。
高森:まさに!私も「プリキュア感謝祭」の時、号泣しちゃいました。子どもたちが自然と「頑張れプリキュア!」って応援してくれる姿を見て、その純粋なパワーに圧倒されて、思わず涙がこぼれてしまいました。今回も本当に危なかったです。というか、自信がなかっただけかもしれません。
特に「GARDEN」が大好きです。私が歌ったら、きっと泣いてしまうと思います。もう、コン(千秋)さんと村瀬(亜貴)さんには「歌えなかったら、舞台のドアから出てきて歌ってください」って言ってます(笑)。
――シリーズディレクターの今さんと村瀬プロデューサーが突然登場(笑)。でも、本当に泣ける曲なので、音源でもライブでも聴いてみたいです。
高森:はい。「GARDEN」は曲自体も素晴らしいのですが、物語に深く関わっていると聞いているので、より一層感動的です。歌う前から泣いてしまいそうです。
プリキュアのコンサートでは、毎年夏に発売されるキャラクターソングアルバムの収録曲がステージで披露されるのが恒例となっている。『「アイドルプリキュア きみとぼく♪」ボーカルアルバム ~We are! You & IDOL PRECURE♪~』には「GARDEN」とこころのキャラクターソング「GR∞VE L∞P」が収録されているが、この物語ではこころのキャラクターソングの方が先に公開された。
高森:はい。なので、キャラソンや「Soul Revolution」は初期から全部一人でレコーディングしていたんです。当時はまだココロの性格も完全には決まっていなかったんです(笑)。なので、今回のライブでは、ようやく自分が理解したココロの姿を踏まえた上で「GR∞VE L∞P」を披露できると思っています。オリジナルサウンドトラックとは違う、今のココロにしか表現できないものになると思います。
──そうした心の理解を踏まえた上で、今『GR∞VE L∞P』を聴くとどんな感想を抱きますか?
高森:歌詞がすごくキャラクターを表わしていて、「あ、こういう子なんだ」と実感できました。実際にアフレコしてみると、セリフの中に自然と歌詞が浮かんできました。
例えば「スピリチュアル革命」に「キュンは万物の主」という歌詞があるんですが、それが今回(第26話)に出てくるんです。「これ、歌詞に書いてあったじゃない?」って驚きました。それ以前からレコーディングの時に「あ、歌詞あった!」って思うことが多かったんです。そうやってだんだん曲への理解が深まっていって。不思議な順番で曲を理解するようになったんです。
──オープニングテーマ「キミとアイドルプリキュア♪ Light Up!」も真実です。改めて聴いてみると、たくさんの伏線が埋め込まれていることがわかります。
高森:まさにその通りで、自分でカバーしてみて「こういうことだったのか!」って(笑)。音楽プロデューサーの方々は、私たちのキャラクターを誰よりも理解していて、歌詞の中にヒントを事前に与えてくれているんだなと感じました。
アルバムには自己紹介ソング「We are! You & アイドルプリキュア♪」も収録されています。元気が出る曲ですね。聴いた時の印象はいかがでしたか?
高森:すごく可愛い曲ですよね。実はこの曲のキーが、私にとって一番歌いやすいんです。「音程が低いから歌いにくい」って言われることもあるんですけど、こころちゃんの音域だと、他の曲は結構高いんですよね。
──キャラクターの音域はご自身と違いますよね。そこがキャラソンの難しさでもあると思います。
高森:はい。「ウィーアー!ユー&アイドルプリキュア♪」はこころちゃんの声域にぴったりで、歌っていてすごく楽しかったです。アイドル紹介曲の中でも一番好きな曲なので、少し練習が必要なので、皆さんにも事前に聴いて覚えておいてもらえると嬉しいです。きっと皆さんの心を一つにできる曲になると思います。
実はこの通話、“バイブバージョン”と“激オタバージョン”の2パターンで収録したんです。どうやら激オタバージョンが使われてしまったようです(笑)。本当にシャウトしたので、ぜひ聴いてみてください。
──アルバムの中で特に気になる曲はありますか?
高森:プリルとメロルンの「なかよしJ♡YFUL」をライブで聴いてみたいです!まさか妖精として歌えるとは思ってもみませんでした。ミミは歌えないと思いますけど(笑)。
アニメの中の曲をコンサートで聞けるのもまたこのコンサートの楽しみです。
──今回のアルバムには収録されていませんが、5人でのステージ曲「キミトシンガリボン」の印象はいかがですか?
高森:この曲はすごく力強くて躍動感があって、舞台で演奏したらすごく盛り上がるんじゃないかと思いました!サビの部分も一緒に歌って、一緒に戦えるような雰囲気があって。子供向けアニメでこんなにかっこいい曲があるなんて驚きました。そういう意味では、感動的でキスしたくなるような舞台曲「Awakening Harmony」は、子どもたちが初めて触れるジャンルだったと思います。
──子どもたちにとって、新しい音楽や言葉に触れることは新鮮かもしれませんね。
高森:そうですね。毎年こうやって開催しているんですが、もしかしたらキャラソンに触れるのは初めてかもしれませんね。これまでのプリキュアのコンサートでは、キャラソンアルバムを買ってコンサートで聴いた人だけが楽しめるという形が多かったんです。でも『アイドルプリキュア ユアアンドミー♪』はアニメの中でキャラソンが流れることが多いので、コンサートで直接楽しめるんです。これまでは大人の方が知っている曲が多かったんですけど、今回は子どもたちも一緒に楽しめるコンサートになるかもしれませんね。こういう形はなかなかないと思います。
──なるほど…!しかも、踊れる曲がいっぱいですね。エンディングの「キミト・ルララ」とオープニングの「トリオ・ドリームス」は、ライブで聴くのを楽しみにしているお子さんも多いと思います。
高森:「キミト・ルララ」は歌詞を考えすぎましたね(笑)。“ルララ”って言葉が重要なのか……?と、つい考えすぎてしまいました。あと、5人のバランスを考えると「だから『キミト・ルララ』って作風なんだ!」って思いましたね。一方で、「トリオドリームス」は、平成初期のアニメ主題歌のような懐かしい雰囲気も感じられて、すごくグッときました。
——ああ、分かりました。
高森:「トリオ・ドリームス」の歌詞には音楽のジャンルが出てきますよね。私が担当した「シャンソン」という曲は、子どもたちが「シャンソンって何?」と疑問に思うだろうと思います。そして、親御さんに「どういう意味?」と聞いたり、一緒に調べたりして、音楽を通して新しい学びに繋げていく。
――そして、「映画アイドルプリキュア♪待ってました!輝くステージをお届けします!」では、主題歌「♪HiBiKi Auuta♪」に加え、「ひろがるスカイ!プリキュア~Hero Girls~」もカバーしました。高橋さんは「灰になる覚悟で挑んだ」と話していました(笑)。
高森:はい(笑)。「広がれ好き!プリクラ~ヒーローガールズ~」は、めちゃくちゃ難しかったです。音程もすごく高くて、すごく難しかったんです。「石井(亜美)…!! 何この音!」って。1人で歌っているのに驚きました。私の音域をはるかに超えているので、「血管が耐えられるか不安です。きっと切れちゃいますよ!」って言いながらレコーディングしました(笑)。
──シリーズを通して映画で曲がカバーされるというのは珍しいですね。
高森:ええ。それで、ハートビートとウインクが「お空をひらけ!プリキュア!」を歌って、タッチとキッスが「ワンダフルペットプリキュア!」を歌ってるんですけど、タッチとキッスの方が大人っぽい感じがするので、正直、それぞれの役割が違っているような気がして、すごく新鮮に感じます。
プリキュアのコンサートなので、親子で楽しめるものも考えてみました。
──今年のプリキュアコンサートのグッズで、気になるものはありますか?
高森:去年も音楽フェスみたいにラインナップが完璧だったのに、今年はタオルとシリコンリストバンド、タオルクリップまであって、本当にありがたい!(笑)。あと、靴ひもまであって、すごく新鮮。特に楽しみにしているのは、団扇ですね。ステージ上ですごく目立つんですよ。以前、他の作品に出演させていただいた時に、団扇とTシャツって、遠くからでも一目でわかるんだなって知って、「わあ、すごい!」って思ったんです(笑)。グッズにしてもいいんじゃないかな。
──では、リレーインタビューの定番質問を見ていきましょう。毎年、リレー形式で事前に質問を募集しています。高橋さんのリレー質問は「コンサートの前にやるべきことは何ですか?」です。
高森:「寝る」です(笑)。ライブ前の目標は「寝る」なんです。実は私、寝つきが悪いタイプでして…。2日間のライブだと、初日はほとんど寝ないでステージに立って、2日目に疲れてやっと寝ちゃうんですよね(笑)。でも今回は1日だけなので、しっかり寝て体勢を整えたいですね。理想としては7時間くらいは寝たいですね。ただ、それ以上寝るとかえって音が悪くなってしまうこともあるので、その辺りの調整が難しいですね。
──次は南條愛乃さんに質問です。何か聞きたいことはありますか?
高森:「ライブを楽しんでいる時はどんな感じなの?」と聞いてみたいです。私は、歌詞を間違えたり、何かトラブルが起きたりしないか、すごく心配性なタイプなんです。でも、万が一何かトラブルが起きても、なるべく何もなかったように振る舞うようにしています(笑)。でも、そういうのばかり考えているから、ライブ中はなかなか「嬉しい!」って思えないんです。でも、本当に楽しそうに歌ってくれている人を見ると、すごく嬉しくなるんです。今回、美里(松岡)ちゃんは、きっとみんなを「嬉しい!」って思わせてくれると思いますし、南條さんはベテランの芸人さんなので、ライブの楽しみ方や、どんな困難を乗り越えているのか、聞いてみたいです。

──高森さんはコンサート当日に楽しみにしていることは何ですか?
高森:小さなプリキュアたちに会いたいですね。会場のパシフィコ横浜国立大ホールはすごく広いですし、昼のショーと夜のショーで全然違うと思います。もちろん子どもたちだけじゃなくて、みんなプリキュアだと思うので、親子で「私もプリキュア!」って楽しんでもらえたら嬉しいです。まだ決めてないんですけど、こころの髪型に合わせた“ハートヘア”に挑戦してみようと思っています。普段こころは髪を高く結んでいるんですけど、私は少し下の方で結ぶ“下ハートヘア”にしようと思っています。そうすればお母さんたちが真似しやすいんじゃないかな。事前にどこかでやり方を見せられたらいいなと思っています。
—わあ、それはすごいですね。
高森:親子で一緒に楽しんでもらえたら嬉しいですね。親子で一緒に楽しめるコンサートのステージに立つのは初めてなので、こういうことを考えるのも新鮮で面白いですね。
──楽しみにしています。最後に、コンサートを楽しみにしている皆さんに一言お願いします。
高森:プリキュアのコンサートは初めてという方も、何度もご覧いただいている方もいらっしゃると思います。今年は「アイドル」がコンセプトなので、特別なパフォーマンスになりそうな予感がします。しかも、声優陣やプリキュアも勢揃いなので、ステージはプリキュア一色!きっと飽きずに楽しめると思いますよ(笑)。
でも、一方で、隅々まで楽しんでいただけたら嬉しいです。先ほども申し上げましたが、一番楽しみにしているのは、客席で踊っている子どもたちの姿です。今までは客席から皆さんの背中しか見えませんでしたが、今回はステージから皆さんの顔が見えるのが本当に楽しみです。ぜひ一緒に歌って、踊って、楽しんでくださいね。

【坂井真理さんインタビュー】